「あちゃー」って苦笑いした3人の先輩が、同時に前に向き直る。
視界に映る、先輩たちの背中。
それをぼぉっと見ていたら、思考はあっという間にまた飛んでいく……
今日、誕生日なのに……
昔はお父さんもお母さんも、朝1番に「おめでとう」って言ってくれたのに。
あれも嘘だったのかなって……今となっては嘘としか思えない。
あの頃から本当は、「おめでとう」なんて思ってもいなかったのかな、って。
私なんて、生まれてこないほうがよかったのかなって。
離婚するとき、私は捨てられるのかな、って……
「、…」
こんな時にこんな場所で、滲んでくる涙を手で拭う。
今、こうしている時間だって、私はこんなにお母さんのことを考えているのに。
お母さんは私のことなんか、1秒だって考えてくれない……
どうせ今頃、あの男の人と、
「──についてどう思いますか、七瀬さん」
「………」
「七瀬さん?」
「………」
「(美香…!)」
「え?」
名前を呼ばれていることに気づかなくて、顔を上げたら。
中央に立つ先生が、ジッと私を見ていた。
えっ、なに?
私なにか、質問されてる?


