「どうだった?俺の挨拶」
「かっ、かっこよかったですっ」
「え?」
瞬先輩が、ぽかんとした顔をする。
「いや、かっこよさは狙ってねんだけど」
「ちょ、美香……」
「素直だねー」
隣のにっしーと前の洋平先輩が、声を潜めるように笑いだす。
「え、あれ、…だって」
思わず飛び出た本音に、今更赤面していると───
「旭ヶ丘高校、うるさいぞ!」
開始早々怒られて、「すいませーん」って言いながら、先輩たちは前に向き直った。
3校目4校目5校目って、どんどん会長の挨拶が続いていく。
後ろから見る瞬先輩の背中は、あんまり動かない。
ごっつ先輩の背中は、時々、動く。
洋平先輩の背中は……まさか、寝てる?
全9校の学校が挨拶を終えて、中央の先生が立ち上がってまた話し出す。
「では受付で配ったプリントの4ページ目を開いてください」
雨の音が……聞こえた。
すぐ後ろにある窓を振り返って見たら、雨がしとしとと降り出しているのが見えた。


