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合宿も無事終わり、残りの夏休みはほとんど課題と部活三昧の日々を過ごしていた。
そろそろ夏休みも終わりに近づく今日、鞠はヤギさんとショッピングなんだと言って嬉しそうに出かけた。
交際は順調に進んでいるらしく、私としても2人の幸せな光景を見るのはすごい嬉しい。
礼儀正しいヤギさんは、両親にもきちんと挨拶に来て、もう親公認の彼氏となっている。
さすが武道をやってる男は仕事がはやい!
私が親だとしてもヤギさんだったら許しちゃうもんな〜…
あれ…けどヤギさん、今日は迎えに来なかったな?
いつも迎えに来るのに……
2人のことだ。どこかで待ち合わせする約束でもしてたのかもしれない。野暮なことを気にするのはよそう。
問題は……
「…はじめちゃんのことだ〜…」
告白しようと決意したものの、私はどうやら合宿最終日の夜のことが記憶から抜けている。
はじめちゃんにもその夜のことを覚えてるか聞かれたが、全く覚えてないのだ……
チョコレートを食べてからの記憶がごっそりなかった。
気づけば朝布団で寝ていて、頭が少しだけ痛かった。
花火をした記憶もなければ、どうやって自分の部屋まで戻ってきたのかという記憶もなく…。
ただ、はじめちゃんが眠っていた私を部屋まで運んだと教えてくれた。