「何故?」
「駄目なものは、駄目」
「いつまで、こうしてるつもりなの?」


 この離れに閉じ込められて、三年が経つ。

 私は未だに、ここが地図上にどこにあるのかも知らない。

 学校が終わった途端に車と彼が校門に現れ、私にアイマスクをさせて連れて行ってしまうからだ。


「そうですね……」


 腕を組んで、彼は考えているように見せる。嘘、本当は出してくれる気なんてないくせに。