「馨」
はっとして目の前の馨を見た。黒い式服、胸の前で両腕を組んでいる。
硝子玉のように澄んで綺麗な茶色の目には、悪戯をする子供のような輝きがあって。
――興味本位なら、絶対に許さない。
「それを私が、馨に言うと本気で思ってる?」
「……分かった、ごめん。そんな怖い目で見るなよ、さやに睨まれると本気で怖い」
彼は暫く顎に手を添え、考え込むように沈黙していたものの、やがて降参と示しているのか両手を挙げた。
はっとして目の前の馨を見た。黒い式服、胸の前で両腕を組んでいる。
硝子玉のように澄んで綺麗な茶色の目には、悪戯をする子供のような輝きがあって。
――興味本位なら、絶対に許さない。
「それを私が、馨に言うと本気で思ってる?」
「……分かった、ごめん。そんな怖い目で見るなよ、さやに睨まれると本気で怖い」
彼は暫く顎に手を添え、考え込むように沈黙していたものの、やがて降参と示しているのか両手を挙げた。

