「時に、世間というものは良心に勝ってしまうことがある」
「許せないんだろうね。弟が、後継ぎよりも実力があることが」
「……自分で認めて悔しくないの?」
「実力と人望は必ずしも比例するとは限らないよ」
「……」
「歪んでいる? ――あぁ、そうだ。そうなのかもしれないな」
「何よ、その微妙な返事は」
「例えばの話をしよう。君は林檎は赤いと思うかい?」
「ええ」
「確かに、表面は赤い。皮だからね。しかし、切ったばかりの林檎は白い」
「更に、林檎ジュースは黄色に近いね。さて、どれが本当の林檎の色なのだろうか?」
「……分からない」
「そういうことだよ。物事は視点によって見方が違う」
「貴方から見たこの状態は、歪んでいないということ?」
「許せないんだろうね。弟が、後継ぎよりも実力があることが」
「……自分で認めて悔しくないの?」
「実力と人望は必ずしも比例するとは限らないよ」
「……」
「歪んでいる? ――あぁ、そうだ。そうなのかもしれないな」
「何よ、その微妙な返事は」
「例えばの話をしよう。君は林檎は赤いと思うかい?」
「ええ」
「確かに、表面は赤い。皮だからね。しかし、切ったばかりの林檎は白い」
「更に、林檎ジュースは黄色に近いね。さて、どれが本当の林檎の色なのだろうか?」
「……分からない」
「そういうことだよ。物事は視点によって見方が違う」
「貴方から見たこの状態は、歪んでいないということ?」

