私の名前は吹雪 千春。

今年で13歳になる中学生だ。

私がこれから通う学校は青冬大学附属青冬学園中学科と言う学校で正確には幼稚園科からあるため私は外部生になる。
また、中学科からは強制的に寮生活になるため長期休暇でしか家に帰ることも出来ない。
そんな学校生活を母は心配したが私はどうしてもここに来たかった憧れの人に会いたかったから。

その憧れの人は今体育館のスポットライトに煌々と当たり威厳を放っていた。
「ー ー。以上で新入生の入学式を終わる。
高校生徒会長3年吹雪 千秋。」

そう。
私の憧れの人は自分のお兄ちゃんだ。
といっても私が兄に会う事は滅多になかった。

私が物心つく頃には、兄はこの学校の幼稚園に寄宿生として通っていて長期休暇も学園で開催される短期留学に行っていた。

私は、幼稚園科も幼稚舎科も試験に落ちて普通の公立に通っていた。
そんな兄との関係の中で、一つだけ思い出に残る記憶がある。

ー千春小学4歳夏休みー
「千春ちゃんおいで、ビニールハウスはすぐそこですよ。」

その日は、野苺農園に来ていた。
私は、初めての兄との旅行が楽しみでしかなかった。
はしたないとわかりつつも、白いワンピースのスカートが汚れるのもお構いなしに無我夢中で、走っていった。
そう、信号も見ずに...

「千夏ちゃん車が来てますよ!車!」

そんなに近くにいたわけではない。
それでも4歳にとって車はとても大きく見えるもの_
当然のことながら、私は、足がすくんで動けなくなってしまった。
そんな私を救ってくれたのが兄だった。

気づくと兄の足からは血が出ていて私は気を失った。

こんなドラマみたいなことが私にっとっての兄の思い出だ。

これだ私の憧れのお兄ちゃんだ。