と言うか、この笑顔もわたしは知ってる…?

えっ?

ええっ!?

わたしの頭が再びパニックを起こした瞬間、鈍い痛みが頭を襲った。

「無理に思い出すのはやめてください」

大森さんがなだめるように、わたしに言った。

「アタシが、ゆっくりと時間をかけて思い出させてあげますから」

ドキッ…

そのセリフに、胸がキュンとなった。

わたし、やっぱり大森さんのことを知ってるの?

そして大森さんは、わたしのことを知ってるの?

わからない。

わからないけど、何だか安心した。

大森さんのそばにいると、何だかホッとするんだ。

黙ってこの人のそばにいようと、わたしは思った。