そう思ったわたしに、
「特に、赤はやめてくださいね」

大森さんが言った。

何で?

「これ以上アタシをドキドキさせて、心臓を壊す気ですか?」

いや、そう言う訳では…。

「とにかく、やめてくださいね?」

大森さんお得意の妖艶な笑みに、わたしは逆らうことができない。

「はーい…」

わたしは返事をした。

「いい子です、乃南さん」

大森さんが唇を奪った。

口の中に舌が入ってきた瞬間、わたしは酔いそうになった。

やっぱり、大森さんにはかなわない。

いつも大森さんに、ドキドキさせられっぱなしだ。

それでもあなたが好きですよ、大森さん。

大森さんからのキスを受けながら、わたしは心の中で呟いた。