「乃南さんがドキドキさせたのですから。

アタシの心臓が壊れるくらい、ドキドキさせているのは…乃南さんなんですから」

そう言った大森さんを、犯罪者だとわたしは思った。

極上なくらいに甘い言葉を言って、わたしの心臓をドキドキと鳴らさせる。

やっぱり、かなわない。

大森さんには、かなわない。

どんな卑怯な手を使っても、かなわないと思った。

そう思っていたら、
「下着を買うのは乃南さんの勝手ですけど、色を考えてくださいね」

大森さんが言った。

えっ、何で?