大森さんの首筋には、わたしがした小さな抵抗の印がある。

それに大森さんが気づくのは、果たしていつのことになるのだろう?

「また、つけさせてもらいますよ?」

そう言った大森さんに、
「――やめてくださ…」

言い返そうとするわたしをさえぎるように、唇を奪われた。

鏡には、キスをしているわたしたちの姿が映っている。

何か、恥ずかしい…。

その後で、わたしは大森さんにベッドに押し倒された。

「愛してますよ、乃南さん」

極上に甘いささやきと同時に、また首筋に印をつけられる。

気づいてくださいね、大森さん。

わたしがした、ほんの小さな抵抗に気づいてください。

“わたしのです”ってつけた印に、早く気づいてくださいね。