さんざんやったけど、歩美は絶対扉を開けなかった。 どうしようもなく素直で どうしようもなく純粋で どうしようもない頑固者。 「今日は冷込むって言ってたな…」 オレは歩美の部屋の玄関扉に寄りかかって、じっと空を見上げた。 首のあたりに風が通って、上着の中まで冷気を流す。 「風邪… ひどくならなけりゃいいけどな」 自分の心配より、女の心配するなんて初めて。