「お友達…もうよかったの?」

「あぁ。それ、持ってやろうか」

「えっ、あ、いいよ!これくらい」




恐くて何もできなかった。

歩美が嫌がるとか、そういうことじゃない。



手を出してしまったら
歩美の全てを手に入れてしまったら

オレが歩美から、離れられなくなるんじゃないかって思ってたんだ。




「今からおまえんとこ行っていい?」

「え…。い、いいよ」




他の女のときとは違う。

抱けたらそれでいいわけじゃない。



この場所を、
無くしたくなかったから。