日曜の夕方は街も賑やかで。
少し寒くなりはじめた空気に身震いをひとつしながら、オレは薄い上着のポケットに手を突っ込んだ。
すれ違って行くカップルの姿。
オレだって、女とそうやって歩くことは珍しくない。
ただ、歩美とは手を繋いだことだってないけど…
クッシュッ!
??
変なくしゃみに耳をとられてショップを覗くと、入り口の近くにあるレジカウンターに歩美の姿を見つけた。
ここは何の店か…そう思って扉の上にある電光看板を見る。
「インテリア小物…」
歩美は鼻をすすりながら、白いボウル型のプレートを二つレジに出していた。
ふと今朝のことを思い出す。
オレのせいで、
風邪引かせたかな。

