ブー、ブー…
携帯にセットしていた目覚ましで、オレは歩美が起こすよりも先に目が覚めた。
気が付けばオレは、歩美のシングルベッドを一人占めして眠ってしまっていて。
歩美は…
秋初めの朝はもう肌寒い。
付き合ってる相手が近くにいるのに、暖めてもらえるわけでもなく
歩美はその傍らで、ベッドに寄り掛かりながら眠っていた。
まつげが…濡れた後のような。
「……あ、ごめんなさい!時間!
起こさないといけなかったのに」
「いや、まだ大丈夫」
オレが髪に触れたのを敏感に察知して、歩美は突然目を開いた。
そしてすぐに朝食の用意をしようと立ち上がる。
「おい!」
「へっ…?」

