またちらっとだけ見せる歩美の落ち込んだ表情。


ほら…
もう少しなんだよ。

もう少しで
わかりそうなんだ。



口煩い女には腹が立って、泣いて縋る女にはうんざりだった。

でも歩美のその仕草にだけは、なんとなく揺らされるっていうか…


やっぱりまだわからない。





夕食を食べてしばらくテレビを見た後、オレは後片付けをする歩美をおいて先にベッドで横になっていた。


近付いた時に香ってくる歩美の匂いと同じ。

この中にいると、落ち着くから。