オレが手招きでソファに呼ぶと、歩美は不思議そうに近寄ってきた。 「隣座って」 「えぇっ!はい。う、うん…」 歩美はいつも素直だった。 すぐに気持ちが顔に出るから分かりやすかったんだ。 オレが歩美の肩に体を預けると、歩美は背もたれにぎこちなく倒れて 二人で何も言わず ただテレビを見続ける。 この時間が、オレの一番の楽しみになってたかもしれない。