歩美はゆっくりと扉を開けて、細い隙間からオレを見上げる。 「今日泊まるから。困る?」 オレがそう言うと 歩美は黙って首を振った。 歩美が夕食を作る様子と、テレビでやってるバラエティ番組を交互に見る。 歩美はちょっとだけ機嫌を良くしたのか、背後から聞こえるテレビの声に時々クスクスと笑い声を上げた。 そんな様子にふと笑顔がこぼれるオレ自身に気づく。 オレが泊まるのが そんなに嬉しいのか……