それでも最近、何か自分の中に気になっていたものがあって。 歩美が落ち込む様子を見るたびに、喉や胸の当たりでざわつく感覚。 邪魔なはずなのに、取り払いたくないような。 表現しづらい気持ち。 それは歩美に悲しい想いをさせるたびに襲ってきて それが何なのかわかりそうなのに、どうしても知ることができなくて。 いつももう少し、あと少しでわかりそうだって思うのに 女友達の声や大学の勉強で、毎回それが消し去られた。