歩美はまたしゅんとして下を向いてたけど、実際感覚的にはそんな感じだった。 一緒にいるのがラクで、落ち着けて、他の女より何倍も気を許すことができた。 歩美の前では余計なことを考えなくて済んだんだ。 拗ねないから機嫌も取らなくていいし、文句を言わないから怒鳴る必要もない。 泣かないから、わざとらしく慰める振りもしなくてよかった。