でも今回は別に素っ気なくあしらうつもりだったわけではなくて

本当に喉も渇いていなかっただけ。



だからって、歩美を安心させる言葉をかけてやるほどオレもお人好しじゃない。



オレは落ち込むような歩美を放っておいて、問題集に視線を向けた。



歩美もオレの前に大人しく座る。

歩美はオレの言い付け通り、絶対に文句は言わなかった。

ワガママも、自分の望みも。



だから一緒にいるのは他の女よりラクだった。

たまにこの部屋にくつろぎに来てもいい、そう思えたくらいだ。