「お前、名前なんての?」

「えっ!私!?」




そういえば伝えてもいなかったと言いたげな照れた表情。

向かい合って座った小さなコタツ用テーブル。

オレはそこに肘をつきながら目の前の女を眺めてた。




「歩美…。木乃歩美」

「ふ〜ん」




別に聞いたからって、オレが名前で呼ぶわけでもない。

でも、自分の名前を知ってもらったことに満足したのか

歩美は少しご機嫌な様子で問題集を広げた。