「あの、今いい?」 「あぁ、久しぶり。何?」 相変わらず緊張してるのか 顔は固まったまま。 あの男の前では、平気で笑ってたんじゃないの? 「もうすぐテスト期間に入るから…わからないとこ、教えてほしい」 「お前オレと同じ学部だっけ」 「うん…」 考えてみれば何も知らなかった。 この時はまだ名前さえも。 「お前住んでるとこ一人?」 「え…あ、うん」 「じゃあ今からお前んとこ行く」