優との出会いは小学四年生の夏休み後半
近所の公園に友達と遊びに行った時だった。
その日は雲ひとつない綺麗な空だった。
西の空にある太陽の日の光が差し込みいつもの公園がまるでどこかの異世界に迷い込んだような神秘的な雰囲気を漂わせていた。
その公園の中に日の光を浴びながらベンチに座っている人影があった。
友達と恐る恐る近づいてみると今にも日の光にとけて消えてしまいそうな君がいた。
目を奪われた。
「?どうしました???」
首を傾げ此方を見ていた。
「あ、やっ…す、すみません!!!…」
我に返って自分が見つめすぎていたことに気づきあまりの恥ずかしさに頭が真っ白になってしまった。
「いえ?全然大丈夫ですよ?」
そう言ってにっこりと笑う君にぎゅうぅっと効果音がつきそうな程胸が苦しくなった。
はじめてじゃない。
前にも同じことがあった。
1人で色々考えていると友達が遊びに誘おうとしていた。
内心(バカなんじゃないの!?)と思う自分もいれば
(少しでも一緒に居たい)と思う自分がいた。
「なぁなぁ!一緒に遊ぼうぜ!」
彼が答えるまでの時間が異様に長く感じてしまう。
「はい!遊びましょう!!」
「堅苦しいのはなしなし!!はい!!鬼ごっこしようぜ!!」
あまりの無鉄砲さに呆れてしまう。
人数的に直ぐに終わってしまうでは無いか
サッカーの方が良いと思う。
「え、3人だよ?少なくない?」
思わず言ってしまう
「3人だからこそ鬼ごっこだろうが!!」
それは一体どこからくるのだろうか。
「すぐ終わっちゃうじゃん!」
「でも、いいじゃんか!!」
「プッ…ハハッ…ごめ、ごめん!!2人が面白くって…」
横を見るとお腹を抱えて笑ってる君がいる
また胸がぎゅうぅと苦しくなった。
そして思った。
「「「「名前ッッッ聞いてないッッッッ」」」」
声にでていたようで2人ともびっくりしたようにこちらを見た
うっ……やらかしてしまった…。
