「でもまさか驚いたわね・・・
 私、最近飢獣について、精霊さんから教わったばかりなんだけど、まさかあんなに巨大な飢獣
 と対峙したのは初めてだった・・・
 もうアレ、ゾウなんてレベルじゃなかった。」

「精霊・・・
 あぁ、隣にいる水霊の事ね。私は旅をしている最中、何度も飢獣と対峙したわ。でも今回は私
 のミスだった。
 でもまさか・・・『神獣様』の力を使っても、倒せない程飢獣が強くなったなんて・・・。も
 う私も、魔法を使えなくなる日が近い証拠なのかもね」

「そういえば、私達の元に来た、あのトカ・・・『神獣様』は、今何処に?
 さっきから姿が見えないけど・・・」

「いるよ、ほらっ」

そう言うと、ヌエちゃんは長い藍色の髪を肩にかける。すると、首筋の辺りに、神獣様がへばり付いていた。
ヌエちゃんによると、神獣様は寒さに弱いから、暖かいヌエちゃんの首筋にいる事が多いんだとか。でもその光景は、どう見ても壁に張り付く・・・