DIYで魔法世界を再建！

コンッ　コンッ

「あの・・・えっと・・・
　もう大丈夫ですか・・・？」

恐る恐るこちらを覗き込むヌエさん。私が手招きすると、私が作った『お手製の鍋』をトレーに乗せて来た。鍋の中を覗き込むと、美味しそうなスープが湯気を立たせている。

「私・・・料理はできないけど・・・『シナノ』に教えてもらったから、スープくらいなら作れ
　たの。そこの『水霊』が、食材を保管してある場所を教えてくれたから・・・
　でも、勝手に漁ってごめんなさい・・・」

「いいのいいのっ
　それより・・・えっと・・・ヌエさん・・・でいいのかな？」

「あっ、普通にヌエでいいですよ。」

ヌエさんは、私よりも3歳くらい年下に見える。そう、中学生と高校生の差と同じくらいだ。私の妹と年齢はあまり変わらないのかもしれない。
年齢を聞きたいけど、初めての会話で年齢を聞く気にもなれず、私もあえて転生した話はせず、自分の名前だけ名乗った。

「これ、乾燥したキノコをお湯に浸して、野草とかも刻んで入れたスープだけど・・・いる？」

「助かるー！　嬉しーい！
　丁度何か食べたいと思ってたから、遠慮なくいただきます！
　ヌエちゃんはもう食べたの？」

「あっ、うん。
　久しぶりに食料にありつけて、本当にありがたい。ユキナは命の恩人だよ！」

コツコツ食料を保存しておいてよかった。念のためではあったけど、まさかこんなに喜ばれるとは思ってもいなかった。
それほど林の外側は、過酷な環境なのだろうか・・・？
そう思うと、ヌエちゃんはよくそんな環境を生き抜いたと思う、惚れ惚れしてしまう程。ヌエさんの体をよく見ると、あちこちに手当てされた跡がある。
ヌエちゃんの話によると、傷は浅いけど、薬が効きすぎているのか、傷口がまだヒリヒリするそう。私お手製だからかもしれないけど、まぁ効かないよりはマシ理論で。