「・・・ふふふっ」

「ユキナ? どうしたの?」

「・・・精霊さん達が責任を感じているところ悪いんだけど、私はこの身体が結構好きだし、こ
 の林も好きだよ。むしろ皆には感謝したいくらい。」

「ユキナ・・・」

「精霊さん、別に私は貴女達の事情に巻き込まれた事に関して、迷惑だなんて一切思ってない
 よ。むしろ話を聞けて、ようやく納得できた。
 これって完全に『Win・Win』じゃない?」

「・・・『ウィン・ウィン』??」

「『Win・Win』っていうのはね、私の生きていた世界で使われていた言葉。要するに、『互い
 に利益がある』っていう意味。」

・・・ちなみにこの単語は、英語の教科書で習ったわけではなく、ネットの動画から引用した単語。個人的に好きな単語だったから覚えていただけだったけど、こんな形で役に立つなんて思わなかった。
でも、精霊さんと私の関係は、完全にWin・Winだと思う。私は完全に引き込まれた側ではあるけど、ある意味精霊さんのおかげで、この安全で安心な場所へ転生できたと言っても過言ではない。
だから私は、精霊さんを責める気もない。むしろ感謝しかない。責任を背負おうとしている精霊さんには、若干申し訳ない気もするけど・・・。