「・・・単刀直入に話して、貴女は『何』に対して罪悪感を抱いているの?」

もうこれ以上、精霊さんを迷わせるわけにもいかず、私の方から話を切り出す。でも精霊さんも、ようやく腹を決めた様子で、私に淡々と話してくれた。

「・・・まず、貴女がこの林に転生した理由についてだけど・・・」

「??」

「貴女の『依代』を用意させたのは、私『達』と言っても過言ではないの」

「???
 ちょちょちょ・・・ちょっと待って。
 色々聞きたい事はあるけど・・・まず・・・

 『依代』って、私のこの『身体』の事??
 この身体は、貴女達が用意してくれたの??」

「・・・・・

 今から1000年以上も前。
 まだ私がこの世に生命を授かってから、間もない頃だった・・・」

突然精霊さんが、1000年以上も前の昔話を始めた。精霊さんの寿命が一体どれくらいあるのかは気になるけど、私を度々助けてくれた1000年も前に生まれていた事に、驚きを隠せなかった。
作業をしている最中にも、似た姿をしている精霊さんに声をかけられる事はあったけど、正直年齢を聞く気にもなれなかった。そもそも『寿命』という概念そのものがないと思い込んでいた。
精霊さんの話を聞く前に、念のため聞いてみたら、やっぱり精霊自体に『寿命』という概念はなく、その土地の魔力が尽きてしまうと、自然と消滅してしまうんだとか。
その話を聞いて、私はようやく精霊さんが望んでいる事の意図が分かってきた。雑草や伸びすぎた木々は、精霊さんにとっては『寄生虫』の様な存在だったのだ。