DIYで魔法世界を再建！

ヌエちゃんが、いつの間にか持って来ていた鉄の剣で、私と一緒に魔法陣を潰し始める。そして、古龍を足止めする為に、シナノ様は再び巨大化。
落ちてくる瓦礫を水圧で押し除けながら、古龍に噛み付く。完全に怪獣映画だ。しかし、シナノ様が放つ水流によって、この地下空間が水浸し状態になってしまった。
水没するかもしれないと思ったけど、水流はあちこちの地下道に、まるで小川の様に流れ込んでいく。シーズさんもそれを察したのか、あちこちにある扉を開け始めた。
水圧で開かない扉には、本棚を押し倒し、無理やりこじ開けるという荒技も。ヌエちゃんの協力もあって、魔法陣の3分の2を破壊するまでに至った。
ちょっと前まで、剣すらまともに持てなかったヌエちゃんは、今懸命に私と共に戦ってくれている。その勇敢な光景に、姉である私は感動していた。
血は繋がっていない姉妹同士でも、私を慕ってくれた存在がここまで成長してくれたのは、感慨深くて喜ばしい限り。
「戦力にならない」とか言っていたシーズさんでさえ、私達を瓦礫から守ろうと奔走していた。落ちてくる瓦礫は勿論、時折シーズさんが壁に手を当て、脆い部分を自らの作った結界で補っていた。初めてシーズさんの魔術を見たけど、彼も結構凄いと思う。
そう、戦えなくてもできる事は沢山ある。彼やヌエちゃんは大いに活躍している。勿論、古龍と懸命に戦うシナノ様も凄い。