・・・つまり、私達が取れる手段は、たった一つ。

ベヒモス大国の女王を仕留める。

この林や、生き残っている人々を守る為には、それしか手段がない。ただその道も、決して簡単なわけではない。
見た目だけでも凄い迫力なのに、相手に私達の武力が通じるのかどうかも分からない。そもそも武器を用いた戦いすらも通用しないのかも。
『目には目を・歯には歯を』戦法で、相手の魔力にこちらも魔力で対抗する手段もないわけではない。だが、それはヌエちゃん達にとって、『最悪な歴史の繰り返し』でしかない。
それに、相手の魔力が尽きる方が早いか、自分達の魔力が尽きる方が早いかは。何となく予測できてしまう。この世界中にあった限りある魔力を全部吸い上げた存在だ、威力は計り知れない。

「・・・シーズさん、貴方はどうしたいの?」

「どうしたいって・・・
 私は母の為に生かされているに過ぎません、私が魔力のある地へ赴けば、その気配を察して母
 もついて来る。それが、母の提示した、『私が生きる絶対条件』なんですよ。」

「なにそれ・・・ほぼほぼ『他人任せ』じゃん。」

「そんな事はない!!! 
 我々は各国も恐れ入る程の魔術師!!!だからこそ母は危険を顧みる事なく・・・!!!」

「でも、結果的にあの様よ。貴方も散々見てるでしょ。」

「・・・それは・・・」





ガサガサッ