DIYで魔法世界を再建!

「・・・???」

不意に上を見上げると、黒い空の中で、何かが光っている。一瞬青空が覗いたのかと思ったけど、それにしては変だった。
月の光にも似た、怪しく輝く光。真っ黒な空を注視していると、再び一瞬だけその光が見えた。あたふたしている間に夜になってしまったのかもしれない。そう思った私は、片手に握っていたブローチで現在時刻を確認しようとした・・・が

ヴァァァァァァァァァァ!!!

「キャァアアアアアアア!!!」 「うわぁあああああ!!!」

真上から突風が吹く。木々が根本から取れてしまいそうな程、強い風。しかも、この風が自然に生まれた風ではない事が、その畝る奇妙な動きから分かった。
まるで地面にいる私達を巻き上げている様な、細い手がスルスルと身体中を抜けていく感覚。気色悪く、生温い風。その風の動きだけで、私達を狙っている事が何となく分かってしまう。


「っあぁ!!!」