バタンッ!!!

「っぅえ?!!」

何もかもを諦め、瞼を固く閉ざした瞬間だった。突然、背中に衝撃が走る。それにびっくりして声を出してみたら、何故か声が通っていた。
水の中にいれば、どんなに声を出してもかき消されてしまう筈。なのに、私の変な奇声は空間にしっかり響いていた。
瞼を開けてみると、そこにはさっきまでの光景とは真逆の、真っ白なな世界。眩しいくらいの純白で覆われた世界。
『死後の世界』にしては、ちょっと違う気もした、勘だけど。だが、人間の勘というのは、案外当たる事が多いのかもしれない。