待ち合わせを5分過ぎていた。


わざとだ。


先走る気持ちを気付かれたくないから...。


ホームをでると約束の場所に高下大輔は立っていた。


胸が高鳴る!!


今にもニヤけてしまう口元をギュッとしめた。


「お待たせ、遅くなってごめんね。」


高下大輔はニコっと軽く微笑んだ。


「何処に行こうか?」


アタシから会話を進めた。


「まなみさんは何処に行きたい?」


さんって...


アタシ達タメじゃん。


そぅ言えばメールで一度も名前を呼ばれた事がなかった。


「大輔サンは何処か行きたい所ある?」

皮肉を込めて[サン]を付けて呼んでやった。


すると高下大輔がクスクスと笑いだした。


「ごめん、ごめん、俺女の子とデートした事なくてさぁ、恥ずかしくて何て呼んだらいいかわからなくて。」


アタシはビックリした。


こんなイケメンがデートした事がないなんて。


「やっぱタメ同士でさん付けは変だよね。なんて呼べばいぃかな?」


高下大輔が顔を少し赤くしながら言った。

その顔を見てアタシの胸がキュンとなるが分かった。