「確かにアタシはガキかもしれません。けれどオーナーは少し茜の気持ちも理解してあげて下さい！」


「理解しているつもりだよ。」


目線を少しもずらさずに杉田純一は言った。

「話しはそれだけ？」

「茜の事だけです。」

「じゃぁ俺の口からは何もないな。」


ぐっと目の前に置いてあるグラスを空にすると、


「マスター、次は山崎をロックで貰えるかな？。」


無言でマスターは頷くとチェイサーと共に山崎をカウンターに置いた。


「麻波ちゃんは今日は飲むペース遅いんだね。」


カラカラとグラスを鳴らす音が耳につく。


アタシはまだ半分も残っているビールを飲み干し、またビールを頼んだ。


杉田純一はニコッとアタシに笑いかけてきた。


アタシはその、人をこ馬鹿にするかの様なその笑顔が嫌いだ。


「少し俺の話しをしていぃかな？」


アタシは黙ってビールを飲み続けた。