寝室のドアを開けると茜が寝息をたてていた。


普段寝付きの悪い茜がここまで熟睡しているのは珍しい。


よほど疲れていたのだろう。


アタシは静かに自分のベットへと流れ込んだ。


冷っとするベットの中で小さくうずくまった。


少しずつ瞼が閉じてくる。


茜同様、寝付きが悪いのだが、今日は久し振りに落ち着いて寝れそうだ。


きっと茜が近くにいるからだろう・・・。


・・・


瞼も完全に閉じた頃、温かい温もりが肌に触れた。


「・・・んッ・・・?」


「・・・麻波・・・一緒に寝ていい・・・?」


茜がアタシの胸元に潜りこんでいた。


アタシは茜の首元に腕をいれると、茜を抱える様にしてくっついた。


「・・・茜?!」


さっきまで気がつかなかったが、茜の長かった髪がバッサリと無くなっていた。


「髪・・・どうしたの?」


茜はギュっとアタシに抱きつき、鎖骨に息を掛けながら、


「古き世の時代の女を真似て、心機一転って事で切っちゃた。」


「ださっ」


クスっと笑いながらアタシは茜を抱きしめた。


「何とでも言って。」


大きな目で見上げながら茜は言う。


頑固なアタシと茜はさっきまでの事を口に出さない。