茜はココにすら嫉妬した。


「・・・お前はいいね・・・常にジュンの側にいられて・・・。」


ココは一鳴きすると、茜の腹にゴロゴロと顔を擦りよせた。


ココの首に掛けられている鈴が、チリンッと心室に鳴り響く。



デーブルに置いたビールをまた一口飲んだ。


茜は無性に寂しくなった。


アルコールのせいだろうか・・・。


・・・違う・・・。


杉田純一のせいだ・・・。


「ジュンのバカ・・・」


杉田純一に抱いてほしかった。


けれど・・・


今日の杉田純一の目は茜を見ていない。


何処か遠くを見ていた。



軽く小さなため息をつくと、


茜はココを膝の上から下ろし、スクっと立ち上がった。


そして、静かに寝室のドアを開けた。