「じゃぁ、そろそろチェックで。」


グラスの酒を飲みほすと村上が言った。

内心アタシは寂しかった。


まだ...あともぅ少しでいぃから村上と一緒に居たいと思った。


「...はぃ。分かりました。」


少し沈んだ声でアタシはそぅ言ってカウンターにいるママにチェックの合図をした。

...


「じゃぁ真実、外まで送りますねぇ♪」

アタシはそぅ言った真実を一瞬睨んだ。

この女とことんウザイ。


アタシは少しだけでも村上と二人きりになりたかったのに。

「いゃ、真実ちゃん送りは平気だよ。」

村上が優しく微笑みながら言った。


真実は頬を軽く膨らませ、村上をじっと見つめた。


「村上さん、いつもありがとうございます。お会計になります。」


酒焼けした声でママはそぅ言うと金額の書かれた紙を村上の前へと差し出した。

村上は黙ってそれを受け取ると財布からその金額を出した。

「村上さん、いつもありがとぅございます。また来て下さいね。」


アタシは思いっきりの営業トークで言った。


少し皮肉だ。

...


しかし、村上は綺麗な声で、綺麗な口元でアタシの耳元で囁く...

「まなちゃん、外まで送ってね。」


胸がドキドキする。

村上の顔がすぐ側にあるからだ。


「...はぃ。勿論...。」