『スナック和』出勤日。


アタシはいつものあいさつを交わすと客のテーブルについた。


新規の客だ。


「いらっしゃいませ。麻波です。宜しくお願いします。」


いつもの笑顔でそぅ言うとそのテーブルにそっと座った。


当たり前の様にグラスのお酒を作った。

そしてまた、当たり前の様な会話。


当たり前とは少し違っていたのはその客の雰囲気だ。


その客はアタシの目から決して目線を反らさなかった。


真っ直ぐと強い目線。


アタシは少しだけ動揺した。


反らさない目線もそぅだが、その男自身に見つめられる事に。


その男は、村上と名乗った。


村上は長身に、華奢な腰、片手に収まりそぅなほど小さなお尻をしていた。