「君は……」
硬直するアレンの口から呟きが零れる。冷静沈着な彼も声が出ないほど驚いているらしい。
(な、なんかアレン様が乗り込んできた!?)
しかし驚愕しているのはイリーナも同じだ。互いに動けない。さらに聞き間違いでなければ公開でとんでもない告白までされている。
気まずいこう着を破ったのは遅れて駆けつけたオニキスだった。
「おい、何の騒ぎだ!」
オニキスはアレンの肩を掴んで振り向かせる。振り向かされたアレンは既に完璧な笑顔を張りつけており、オニキスはぞっとした。
「これはどういうことかな?」
見られてしまった以上、説明が必要になるだろう。イリーナたちは客室に移動し、帰宅したタバサが紅茶とお菓子を運んでくれた。
正しく客人としてもてなされたアレンは椅子に座り、長い足を組んでからというもの微動だにしない。その静かな様子が恐怖を助長させた。
イリーナは子どもらしく見えるよう、オニキスたちがもめている横でクッキーをほほおばる。難しい話は兄に任せるつもりだ。
「つまりアレン。お前はイリーナが不治の病だと勘違いして押しかけたと。まったく、誤解がすぎるぞ」
「君がきちんと説明をしないからだろう」
先ほどまで取り乱していたアレンはしれっとオニキスに責任をなすりつけている。冷静さを取り戻したアレンは強かだ。
「仕方ないだろう。人前で話せることじゃない」
「だとしても君の態度には誤解を招く点が多かった」
「なんだと?」
「言い方にも問題がある。なんなんだあの態度は! あの場面で言葉を濁して顔を背けられてはイリーナの心配をして当然だろう」
「っ、あれは! その、妹の姿を思い出してだな」
「それで?」
「締まりの無い顔を人前でさらすわけにはいかないだろう……」
「まさか、君のそんな姿を拝める日が来るとはね」
「その言葉、そっくりそのまま返すぞ」
アレンたちの事情を知ったイリーナはなるほどと納得する。とにかく心配して駆けつけてくれたアレンにはお礼を言っておこう。今後のためにも。
硬直するアレンの口から呟きが零れる。冷静沈着な彼も声が出ないほど驚いているらしい。
(な、なんかアレン様が乗り込んできた!?)
しかし驚愕しているのはイリーナも同じだ。互いに動けない。さらに聞き間違いでなければ公開でとんでもない告白までされている。
気まずいこう着を破ったのは遅れて駆けつけたオニキスだった。
「おい、何の騒ぎだ!」
オニキスはアレンの肩を掴んで振り向かせる。振り向かされたアレンは既に完璧な笑顔を張りつけており、オニキスはぞっとした。
「これはどういうことかな?」
見られてしまった以上、説明が必要になるだろう。イリーナたちは客室に移動し、帰宅したタバサが紅茶とお菓子を運んでくれた。
正しく客人としてもてなされたアレンは椅子に座り、長い足を組んでからというもの微動だにしない。その静かな様子が恐怖を助長させた。
イリーナは子どもらしく見えるよう、オニキスたちがもめている横でクッキーをほほおばる。難しい話は兄に任せるつもりだ。
「つまりアレン。お前はイリーナが不治の病だと勘違いして押しかけたと。まったく、誤解がすぎるぞ」
「君がきちんと説明をしないからだろう」
先ほどまで取り乱していたアレンはしれっとオニキスに責任をなすりつけている。冷静さを取り戻したアレンは強かだ。
「仕方ないだろう。人前で話せることじゃない」
「だとしても君の態度には誤解を招く点が多かった」
「なんだと?」
「言い方にも問題がある。なんなんだあの態度は! あの場面で言葉を濁して顔を背けられてはイリーナの心配をして当然だろう」
「っ、あれは! その、妹の姿を思い出してだな」
「それで?」
「締まりの無い顔を人前でさらすわけにはいかないだろう……」
「まさか、君のそんな姿を拝める日が来るとはね」
「その言葉、そっくりそのまま返すぞ」
アレンたちの事情を知ったイリーナはなるほどと納得する。とにかく心配して駆けつけてくれたアレンにはお礼を言っておこう。今後のためにも。



