扉が閉まるとオニキスは改めて驚きを露わにする。
「それにしても本当に驚きました。まさかイリーナにそこまでの才能があったとは。恥ずかしながら、俺はイリーナのことを仕方のない妹だとばかり思っていたんです」
「私も人のことは言えんな。随分と臆病な娘に育ってしまったとばかり思っていたが、娘の才能にも気付けないとはなさけない」
「イリーナは昔から俺たち家族に壁を作っていましたからね。俺たちも必要以上に干渉することを避け、互いに遠慮していたのでしょう」
先ほど目にした姿より以前、もっと幼かった頃はそうでもなかったように思うが、いつしかイリーナから子どもらしさは消え、家族の前でも怯えがちになっていた。その姿があまりに可哀想で、見ていられないと目をそらしてしまったのかもしれない。
「そういえば話の途中で気になったのですが、研究室というのは?」
「イリーナは倉庫を改造して自前の研究室を持っていたようなんだ」
「我が家にそんなものが!?」
「タバサやみなの力を借りて作り上げたと言っていた。そこで研究資金まで稼いでいたらしく、町の薬屋に商品を納品していたらしい」
「まさかイリーナが自宅にいながら稼ぎを得ていたとは……」
イリーナが幼女の姿になってからオニキスが帰宅するまで、侯爵邸では当主による使用人の事情聴取が行われていた。そこから明らかになるのはローレンの預り知らぬ事実ばかりであったという。
「それだけではない」
「まだあるんですか!?」
「数年前から人気を博している元気ドリンクがあるだろう」
「疲れた時に飲むと元気が出るというあの?」
「あれを開発したのがイリーナだった」
「なんですって!?」
「レシピを売ることで作り方が広まり、安価での入手を可能にしたようだ。私も仕事が立て込んでいる時に気付けとして服用している。我が家でも箱で定期購入しているが、まさかイリーナが製作に関わっていたとはな」
「俺もテスト前に飲んでいました……」
「それにしても本当に驚きました。まさかイリーナにそこまでの才能があったとは。恥ずかしながら、俺はイリーナのことを仕方のない妹だとばかり思っていたんです」
「私も人のことは言えんな。随分と臆病な娘に育ってしまったとばかり思っていたが、娘の才能にも気付けないとはなさけない」
「イリーナは昔から俺たち家族に壁を作っていましたからね。俺たちも必要以上に干渉することを避け、互いに遠慮していたのでしょう」
先ほど目にした姿より以前、もっと幼かった頃はそうでもなかったように思うが、いつしかイリーナから子どもらしさは消え、家族の前でも怯えがちになっていた。その姿があまりに可哀想で、見ていられないと目をそらしてしまったのかもしれない。
「そういえば話の途中で気になったのですが、研究室というのは?」
「イリーナは倉庫を改造して自前の研究室を持っていたようなんだ」
「我が家にそんなものが!?」
「タバサやみなの力を借りて作り上げたと言っていた。そこで研究資金まで稼いでいたらしく、町の薬屋に商品を納品していたらしい」
「まさかイリーナが自宅にいながら稼ぎを得ていたとは……」
イリーナが幼女の姿になってからオニキスが帰宅するまで、侯爵邸では当主による使用人の事情聴取が行われていた。そこから明らかになるのはローレンの預り知らぬ事実ばかりであったという。
「それだけではない」
「まだあるんですか!?」
「数年前から人気を博している元気ドリンクがあるだろう」
「疲れた時に飲むと元気が出るというあの?」
「あれを開発したのがイリーナだった」
「なんですって!?」
「レシピを売ることで作り方が広まり、安価での入手を可能にしたようだ。私も仕事が立て込んでいる時に気付けとして服用している。我が家でも箱で定期購入しているが、まさかイリーナが製作に関わっていたとはな」
「俺もテスト前に飲んでいました……」



