魔法学園に通うオニキス・バートリスの元に家からの使いが訪ねてきたのは学友のアレンと授業についての相談をしていた時のことだった。父の命により至急帰宅してほしいらしく、とても大切な話があるそうだ。
アレンに断りを入れたオニキスは素早く馬車に乗り込む。いつもより短い時間で家まで運ばれると執事によって家族の談話室へと案内された。
(家族の集まりか)
納得すると同時に疑問が浮かぶ。
「なあ、あいつもいるのか?」
あいつとは、六歳の頃から引きこもるようになった妹のことだ。ここ数年は顔を会わせることも減り、最後に会話をしたことさえいつだったか思い出せない。だが家族の集まりというからにはイリーナも出席する必要があるだろう。あの妹がきちんと出席できるのか疑問だった。何しろ自分は顔を合わせるなり逃げ出されている。
「お嬢様は……」
言い淀む執事を前に落胆する。きっとイリーナは出席したくないと我儘を言って困らせたのだろう。こうして執事が視線を泳がせているのがいい証拠だ。
「まったく困った妹だよ」
呆れながら部屋に入ったオニキスを待ち構えていたのは両親と見知らぬ子どもだった。
父ローレンは当主として部屋の奥に。母はテーブルを囲むように置かれた長椅子に腰かけていて、隣の子どもはオレンジジュースとクッキーでもてなされていた。
六歳くらいだろうか。サイズの合わない服を着ているが、身なりは整っている。美しく伸びた黒髪が印象的な、どことなく両親の面影を感じさせる子だ。
その光景を目にした瞬間、オニキスは理解する。
「父さん、母さん。それに、その子は……!」
全てを察したオニキスの態度にオリガは頷き、痛ましそうに目を伏せる。
「やはり兄妹なのですね。貴方も察しましたか。そう、この子は貴方の妹っ!」
「やはりそうでしたか……父さん、いや母さんが!?」
「は?」
「一体誰の子です。この隠し子は!」
イリーナを含め全員の目が点になった瞬間である。
アレンに断りを入れたオニキスは素早く馬車に乗り込む。いつもより短い時間で家まで運ばれると執事によって家族の談話室へと案内された。
(家族の集まりか)
納得すると同時に疑問が浮かぶ。
「なあ、あいつもいるのか?」
あいつとは、六歳の頃から引きこもるようになった妹のことだ。ここ数年は顔を会わせることも減り、最後に会話をしたことさえいつだったか思い出せない。だが家族の集まりというからにはイリーナも出席する必要があるだろう。あの妹がきちんと出席できるのか疑問だった。何しろ自分は顔を合わせるなり逃げ出されている。
「お嬢様は……」
言い淀む執事を前に落胆する。きっとイリーナは出席したくないと我儘を言って困らせたのだろう。こうして執事が視線を泳がせているのがいい証拠だ。
「まったく困った妹だよ」
呆れながら部屋に入ったオニキスを待ち構えていたのは両親と見知らぬ子どもだった。
父ローレンは当主として部屋の奥に。母はテーブルを囲むように置かれた長椅子に腰かけていて、隣の子どもはオレンジジュースとクッキーでもてなされていた。
六歳くらいだろうか。サイズの合わない服を着ているが、身なりは整っている。美しく伸びた黒髪が印象的な、どことなく両親の面影を感じさせる子だ。
その光景を目にした瞬間、オニキスは理解する。
「父さん、母さん。それに、その子は……!」
全てを察したオニキスの態度にオリガは頷き、痛ましそうに目を伏せる。
「やはり兄妹なのですね。貴方も察しましたか。そう、この子は貴方の妹っ!」
「やはりそうでしたか……父さん、いや母さんが!?」
「は?」
「一体誰の子です。この隠し子は!」
イリーナを含め全員の目が点になった瞬間である。



