「馬鹿な! 若返る魔法など聞いたことがない!」
ローレンの言葉にイリーナはその通りと内心笑顔を浮かべていた。魔法省で働くローレンが宣言したことで信憑性はぐっと高くなる。
「でもあなた、こんなこと他に説明がつかないわ! それにこの子の髪飾りはイリーナが大切にしていたものと同じよ!」
(別に大切にしてたわけじゃないんですけどね!?)
どうしても物申したいイリーナであった。
どこにしまっても枕元に現れるいわくつきの髪飾りだ。大切にしなければこっちが大変な目に遭うからと敬意を持って接していることを知ってほしい。結果的に身分証明の役に立ったのならいいけれど。
ローレンは未だに信じられないという顔でイリーナがこもっていたという部屋を調べに向かった。知識がある分、他の人よりも信じ難いのだろう。学園に通ってもいない十七歳の娘が若返りの薬を完成させたというのだから。
執事に案内されたローレンが目にしたものは、変わり果てた倉庫と膨大な魔法の研究資料だった。
研究室から戻ったローレンはオリガに抱きしめられた娘の前に膝をつく。
「イリーナ、元に戻る薬はあるのか?」
幼くなった効果か、険しい表情を浮かべながらも怖がらせないようにと振る舞っていることが感じられた。
「ない……」
イリーナはしゅんと眉を下げたて見せる。
(なんてね! もちろん元に戻る薬は作ってありますよ。私天才なんで!)
実は解除薬を作るのは若返りの薬を作るより簡単だ。込めた魔法を片っ端から打ち消す作用を集めればいい。元に戻る薬はキャンディ状にしてすでに部屋に隠してある。
けれど薬を使うのは主人公が学園を卒業してからと決めている。それまでは幼女のふりをしてシナリオをやり過ごす作戦だ。誰も悪役令嬢が幼女だとは思うまい!
「あぁ、なんてこと……!」
娘を抱きしめ愕然とする妻を支えるようにローレンが寄り添った。
「といかく今後について話し合う必要がある。みな、このことは他言無用だ」
「かしこまりました」
「誰か学園に使いを。オニキスに至急帰宅するように伝えてくれ!」
ローレンが指示を出したことで止まっていた時が慌ただしく動き出す。
ローレンの言葉にイリーナはその通りと内心笑顔を浮かべていた。魔法省で働くローレンが宣言したことで信憑性はぐっと高くなる。
「でもあなた、こんなこと他に説明がつかないわ! それにこの子の髪飾りはイリーナが大切にしていたものと同じよ!」
(別に大切にしてたわけじゃないんですけどね!?)
どうしても物申したいイリーナであった。
どこにしまっても枕元に現れるいわくつきの髪飾りだ。大切にしなければこっちが大変な目に遭うからと敬意を持って接していることを知ってほしい。結果的に身分証明の役に立ったのならいいけれど。
ローレンは未だに信じられないという顔でイリーナがこもっていたという部屋を調べに向かった。知識がある分、他の人よりも信じ難いのだろう。学園に通ってもいない十七歳の娘が若返りの薬を完成させたというのだから。
執事に案内されたローレンが目にしたものは、変わり果てた倉庫と膨大な魔法の研究資料だった。
研究室から戻ったローレンはオリガに抱きしめられた娘の前に膝をつく。
「イリーナ、元に戻る薬はあるのか?」
幼くなった効果か、険しい表情を浮かべながらも怖がらせないようにと振る舞っていることが感じられた。
「ない……」
イリーナはしゅんと眉を下げたて見せる。
(なんてね! もちろん元に戻る薬は作ってありますよ。私天才なんで!)
実は解除薬を作るのは若返りの薬を作るより簡単だ。込めた魔法を片っ端から打ち消す作用を集めればいい。元に戻る薬はキャンディ状にしてすでに部屋に隠してある。
けれど薬を使うのは主人公が学園を卒業してからと決めている。それまでは幼女のふりをしてシナリオをやり過ごす作戦だ。誰も悪役令嬢が幼女だとは思うまい!
「あぁ、なんてこと……!」
娘を抱きしめ愕然とする妻を支えるようにローレンが寄り添った。
「といかく今後について話し合う必要がある。みな、このことは他言無用だ」
「かしこまりました」
「誰か学園に使いを。オニキスに至急帰宅するように伝えてくれ!」
ローレンが指示を出したことで止まっていた時が慌ただしく動き出す。



