「ライラ、精霊から情報が。もうすぐアレン様がここに来ます!」
きっと自分を捜しているのだろう。彼の足が速いこと、そして魔法との合わせ技を使えば、ここが見つかるのも時間の問題だ。早く逃げなければとイリーナはライラを急かそうとした。
「イリーナ。遊びに行く日はまた連絡するから!」
「え、ちょっと――」
しかしライラの方が速かった。侯爵邸に不法侵入した時といい、見習いたい動きである。
「感心してる場合じゃないよね。私も早く逃げないと」
「どこに逃げるのかな?」
「ひっ!」
優秀な魔法使いの行動は想定よりも早かった。どうせなら一緒に連れて行ってくれてもいいのにとライラを恨む。
「ここにいたのか。捜したよ」
走り回っただろうにアレンは疲れを感じさせず、優雅な佇まいのまま告げる。
「い、いいですよ、捜さなくて。もう幼女じゃないんですから、迷子にもなりません」
イリーナは学園生活くらい一人で送れると主張する。しかしアレンはもっと断りにくい理由を口にした。
「俺が一緒に入たいから捜したんだよ」
真っ直ぐに告げられると逃げた自分が子供みたいだ。それでも不満は消えないので言ってやる。
「私はアレン様と一緒だと大変なんです。ずっとアレン様のことを訊かれて、ご飯もゆっくり食べられません。教室でも囲まれて、休めないです」
不慣れな環境で助けされて嬉しかったこともあるが、先ほど弟子をとられた日のことを思い出したので心の天秤は傾いていた。
「それは悪いことをしたね。次からは責任もって婚約者を愛していると宣言することにするよ」
「婚約者じゃありませんから!」
「いいじゃないか、そんな些細なことは」
「些細じゃありません!」
この後、同じ反論が二度とできなくなることを当時のイリーナは欠片も想像していなかった。
きっと自分を捜しているのだろう。彼の足が速いこと、そして魔法との合わせ技を使えば、ここが見つかるのも時間の問題だ。早く逃げなければとイリーナはライラを急かそうとした。
「イリーナ。遊びに行く日はまた連絡するから!」
「え、ちょっと――」
しかしライラの方が速かった。侯爵邸に不法侵入した時といい、見習いたい動きである。
「感心してる場合じゃないよね。私も早く逃げないと」
「どこに逃げるのかな?」
「ひっ!」
優秀な魔法使いの行動は想定よりも早かった。どうせなら一緒に連れて行ってくれてもいいのにとライラを恨む。
「ここにいたのか。捜したよ」
走り回っただろうにアレンは疲れを感じさせず、優雅な佇まいのまま告げる。
「い、いいですよ、捜さなくて。もう幼女じゃないんですから、迷子にもなりません」
イリーナは学園生活くらい一人で送れると主張する。しかしアレンはもっと断りにくい理由を口にした。
「俺が一緒に入たいから捜したんだよ」
真っ直ぐに告げられると逃げた自分が子供みたいだ。それでも不満は消えないので言ってやる。
「私はアレン様と一緒だと大変なんです。ずっとアレン様のことを訊かれて、ご飯もゆっくり食べられません。教室でも囲まれて、休めないです」
不慣れな環境で助けされて嬉しかったこともあるが、先ほど弟子をとられた日のことを思い出したので心の天秤は傾いていた。
「それは悪いことをしたね。次からは責任もって婚約者を愛していると宣言することにするよ」
「婚約者じゃありませんから!」
「いいじゃないか、そんな些細なことは」
「些細じゃありません!」
この後、同じ反論が二度とできなくなることを当時のイリーナは欠片も想像していなかった。



