その後私は高校を卒業し叔父の会社を手伝いながら歴史家としての仕事を続けていた



文献を見ていると土方さんの豊玉発句集が目に入った



そういえば今までちゃんと見たことなかったな



たまに土方さんの歌が聞こえてきたから聞いてたけど上手くはなかった



ペラペラみてると違和感に気づいた



異様に同じ言葉ばかりが繰り返し使われている



それは私の名前だった



しかも本来であれば41句の筈なのに大幅に多い



どうして?



過去の人たちには記憶消去措置が働くから私のことは覚えていないはず、、、







叔父さんの仕業だろう



「!、ほんとに、、、」



自然と涙が零れた



他の文献を調べてみると土方歳三は生涯1人の想い人がいてその人に向けて死ぬまで歌を歌い続けたとあった