(あぁ、最悪……)



私は、ベッドに寝転び、激しい自己嫌悪に陥っていた。
せっかくの潤との時間だったのに、それを無駄にしてしまった。
それだけじゃない。
きっと、潤はおかしいと思ってるはずだ。
いや、もしかしたら、怒ってるかもしれない。



(潤、ごめん……)



紗夜のことがあって以来、私はチョコがダメになって…
潤がガトーショコラを注文した時はドキッとしたけど、目の前に差し出された時は、もうどうしようもなくなって…
込み上げてくる吐き気を押さえるのが精一杯で、もうその場を取り繕うことも出来なくて…



正直に言えば良かったかな。
でも、チョコが苦手だって言ったら、理由を訊かれるんじゃないだろうか?
訊かれたって、話せない。



潤と紗夜のことが原因だなんて言ったら、私が潤のことをずっと前から好きだったってバレてしまうもの。



あぁ、そうか…
私はそんなにも長い間、潤に嘘を吐いてたんだね。
ただの幼馴染のふりをして、潤のことなんてなんとも思ってないふりをして…



本当は好きなのに。
こんなに大好きなのに、この気持ちは一生打ち明けることは出来ない。



言ったって、潤を煩わせるだけだもんね。
言えない…言えないよ……



潤のことを想ったら、いつも涙がこぼれる。
それだけ好きってことなのかな…悲しいな。