紗夜と潤は、一体、何年付き合ったんだろう?
なぜだか、潤が結婚するのは紗夜だと思い込んでいた。



そのくらい思ってたからこそ、私は潤を諦めたんだもの。
軽い遊びだなんて思ってたら、きっと、諦められなかったはずだ。



(違う…そうじゃない。)



結局、私は潤を忘れることは出来なかった。



それって、本当に諦めたって言えるのかな?



(あ……)



そうだ…今日、潤に会った時、私は久しく忘れていた『ときめき』を感じた。



そっか…私…今でも潤のことが好きなんだね。
潤と知り合った、幼稚園児の頃から変わらず、ずっとずっと、潤のことが好きだったんだね…



なのに、潤にはあんなに綺麗な彼女さんがいて…
いつまで経っても、私はただの幼馴染。
私の想いは、この先も潤には届かない、絶対に。
そんなことはわかってるのに…



(馬鹿だな……)



涙の雨は、止まらない。
再確認した自分の気持ちが、辛くて悔しくて悲しくて…



(どうして、こんなに好きなんだろう?)



私は冷たい涙の海に、深く沈んだ。
最悪の気分だ。
そんな時に、LINEの受信を知らせる音が鳴り響いた。
今はLINEなんて見る気もしない。
私はスマホの電源を落とした。