「あ、まずい!」



調べ物をして思い出に浸ってるうちに、時間が過ぎていた。
早く愛美さんに連絡しないと。



(やっぱり、見に行くとしたら、これだな。)



昔、翔子と見た映画のリメイク。
SFだけど、コミカルだし、恋愛の要素もあるから、女性でも楽しめるはずだ。
それに、愛美さんは特に好きなジャンルや嫌いなジャンルは無さそうだし。



(うん、これにしよう。
失敗なら失敗で構わない。)



僕は愛美さんに返信した。
愛美さんの返事はとても早く、今度の土曜日に、一緒にその映画を見に行くことになった。
なんだかあまりに展開が早くて、どこか信じられないような気持ちだった。



まだ知り合ったばかりだというのに、もうデートだなんて…



(デート?
確かにそうだよな。
二人で映画に行くんだから…
それとも、愛美さんにはそんな気持ちはないのか?
まさか、ただ映画が見たかっただけ?
そんなことないよな…)



もう一度、スマホの画面に目を遣った。
うん、間違いない。
本当に、僕は愛美さんと映画に行く約束をしたんだ。



このままうまくいけば、愛美さんと付き合うことになるかもしれない。
そう思ったら、急に気分が高揚した。
久しぶりの彼女…
それも、あんなに可愛い人…
嬉しくないはずがない。