ephemeral house -エフェメラルハウス-





あの自分勝手野郎の事だから家には絶対に来るし
断りでもしたら部屋まで入ってくる

……まあ想像でしかないんだけど

しょうがない支度して待ってよう。

……………

……………………………………

……………………………………………

遅い

遅すぎる

時計を見るともう23時になっていた

バイトが忙しくて退勤出来てないとか?

だとしたらあいつ一旦連絡してくるだろうし多分違う

もしかして迎えいくってこと自体忘れてる?

それはないと信じたい……人間として……

もしかして事故った?


1人で色々考えているとスマホの通知音が鳴る



セナだ


『ゆいちゃん』

『なに』

1時間も待ってるし用件を早く知りたくて返事が素っ気なくなる

『おれさ、すっげえ言いずらいんだけど』

どうせ他の予定があったとかでしょ

『お前ん家ってどこ?』

『近くには居るはずなんだけど場所がわかんねえ』


へ?



自分でもわかるくらい力が抜けた


『雑貨屋さんの隣のコンビニ来て』

『おれいまそこいる』

はぁ………

………………人生で中々無いくらいの大きなため息をついて家を出た