ephemeral house -エフェメラルハウス-





教室内は今日も賑やかだ

なんてったって今日で学校は休み

明日からは夏休み!!!

「………」

それなのに

何でこの目の前の男はひとりで冴えない顔をしているんだろうと気になった私は
シンプルにセナに尋ねてみた

「どうしたの?夏休み嫌なの?」

するとセナは少しビックリしたような表情を浮かべた



珍しい、こいつがそんな顔するの


ただすぐにいつものニヤケ面…
それもなにかイタズラを思いついた悪ガキのような顔をして答えた

「嫌いだよ」

「なんで?」

「だってゆいちゃんに会えないから」

「キモイ」

もう何回も同じようなノリを繰り返してる私たちにとってこれはいつもの事

今まではクラスで目立つ中心の奴だったセナも気づいたら私といつも一緒にいる奴になっていた。


「てかさ、ゆいってLIMEのゲームやってないの?」

「え?なんで?」

「ハート欲しいんだよね」

これって見せてきたのは私もハマってるゲームだった

「あー、やってるよ」

「まじ!?良かった!!じゃあLIME追加しといて!!」

差し出されたスマホに少し躊躇する。

「ハート以外の事でLIMEしてこないでね」

「またそんな事言って…でもありがと!!」



そんなハート欲しいのかこいつ


心の中でツッコミを入れながら
このツッコミは的外れだって思いがあった。






セナってもしかして……………………


もしかして私の事…………………




好き?





でもだとしたらどうやって断ろう

良い奴なのは分かるし傷つけたくはない。

って何考えてんだろわたし

あーやだやだホントに

ホントに最近余計な事ばっか考えてる

明日から夏休みでほんとに良かった。