けれどもすぐに、とある可能性に思い当たり、アリギュラははっと我に返った。途端、ものすごい勢いでベッドの上を後退った。

「つまり、わらわをおぬしのルートに引き込むため、聖剣をおぬしに渡すよう謀ったということか? まさかメリフェトス、わらわをそのように不埒な目で……!?」

 顔を青ざめさせ、小動物のように震える魔王。けれどもメリフェトスは、頭痛を堪えるように顔を顰めて、こめかみを押さえた。

「はぁぁぁ……。やはり、そう来ますか。先に説明できなかったのは、私の落ち度ではありますが」

「な、なんじゃ。どういうことじゃ?」

 普段と変わらず平然とする部下に、アリギュラはおそるおそる問いかける。といっても、大きく開いた距離はそのままだ。隅っこで小さくなったまま警戒を続ける主人に、メリフェトスは肩を竦めた。